研究課題/領域番号 |
20K19733
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 広島女学院大学 |
研究代表者 |
石長 孝二郎 広島女学院大学, 人間生活学部, 教授 (80574459)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | におい / 食物臭嫌悪 / 嗅覚 / 情動 / 食嗜好 / 臭気指数相当値 / ビジュアルアナログスケール |
研究成果の概要 |
本研究は食物の混合されたにおいをヒトはどの程度認知できるか、また、食物のにおい認知と食物臭嫌悪を誘導する情動との関連を検討することを目的とした。その結果、ヒトは食物のにおいを2種混合しても、1つ1つのにおいを別々に認知することができ、その認知する能力は食物のにおいの強さや質だけでなく、そのにおいに誘導される情動(特に不快)が深く関わっている可能性が示唆された。 本研究を通して、嗅覚の特性は“おいしさ”を感知する能力よりも、“不快なにおい(危険な情報)”を認知する能力が優先されており、この特性は治療により嗅覚過敏が出現した際には、その能力が強化され、逆に食事が食べられなくなる可能性が考えられた。
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自由記述の分野 |
臨床栄養学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は以前よりがん化学療法(抗がん剤)と食物臭嫌悪の関連を研究している。がん化学療法では悪心や食欲不振、口内炎などの有害事象が頻繁に起こる。その有害事象の一つに嗅覚過敏による嘔気、におい誘導による予期性悪心がある。 本研究の基礎データや考察から、将来的には病気の治療や体調不良で食事摂取量が減少している場合には、管理栄養士・栄養士は最初に栄養剤の追加を検討しがちだが、まずは対象者へのインタビューで嗅覚過敏や特定のにおいの嫌悪が起こっていないかを確認し、その症状がある場合には嫌悪臭を避けた、もしくは食物嫌悪を起こしにくい献立の立案によって食事摂取量を回復させる手法が確立できればよいと願っている。
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