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2020 年度 実施状況報告書

マトロイド交叉分割の解明に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 20K19743
研究機関九州大学

研究代表者

山口 勇太郎  九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30780895)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードマトロイド / 組合せ最適化 / アルゴリズム
研究実績の概要

マトロイド交叉分割に対するボトムアップなアプローチとして,対象とするマトロイドのクラスを制限した場合に取り組んでいる.分割マトロイドの場合には Konig の定理や Galvin の定理による綺麗な特徴付けが存在し,また実際に分割を得る効率的なアルゴリズムが知られていることから,分割の数を大幅に損なわないように様々なマトロイドを分割マトロイドに簡約する手法を提案した.結果として,paving マトロイドや横断マトロイド,グラフ的マトロイドやガンモイドなどの現実によく現れる様々なマトロイドに対し,近似的にマトロイド交叉分割が扱える範囲を拡大した.先行研究として,実際の構成方法を与えないような 2 近似の存在定理が知られていたが,本研究では初等的なアルゴリズムによりそのような簡約化を計算し,上述の分割マトロイドのマトロイド交叉分割に関する既存結果を組み合わせることで実際に解を得る方法を提示できた.一方で,同様のアプローチの限界についても考察し,漸近的には 2 近似を破ることが不可能であることも示している.
また,マトロイド交叉自体の扱いやすさの本質を追究する観点から,従来の自然な問題設定からどの程度まで情報を落としても扱いやすいのかを考察している.結果として,重み無し問題が解ける範囲が相当広いことを明らかにし,一方で重み付き問題の場合には同様の状況でも難しい場合が存在しうるという予想を得た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上述の通り,当初の目標の一つであるマトロイド交叉分割の近似に関する結果を得ており,関連するマトロイド交叉の話題についてもある程度の進展があるため,おおむね順調に進展していると言える.ただし,新型コロナウイルスの影響で,実際に共同研究者と密な連携を取ることが難しくなっており,当初予期していた進行よりは相当遅れている.

今後の研究の推進方策

引き続き近似的なマトロイド交叉分割に関して,より効率的なアルゴリズムを与えることができるのか,より広いクラスのマトロイドに拡張できるのか,といった観点から研究を推進する.
また,情報を制限したマトロイド交叉に関して得られている予想の解決を目指す.

次年度使用額が生じた理由

主要な目標の一つは国内外の共同研究者と推進しており,実際に訪問して密な議論を行うつもりであったが,情勢的に不可能となったため.ワクチンの普及など,状況が回復し次第行っていきたいと考えているが,不透明である.

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公開日: 2021-12-27  

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