本研究課題では、固定された重複度を持つホップ分岐に関連する代数的な判定法を提案するとともに、包括的グレブナー基底系の表現の簡略化などの方法を提案することができ、一定の成果をあげることができたと考えている。特に、ホップ分岐の重複度はリミットサイクルの個数の上限となる概念である。力学系と関連するような実計算代数手法を提案できたことを意義深く感じる。また、包括的グレブナー基底系の表現の簡略性は実限量記号消去の計算時間や使用メモリなどに強い影響を与える。計算代数手法は膨大な計算時間や使用メモリを要求しやすいので、包括的グレブナー基底系の表現の簡略化は計算効率に関連する非常に重要なトピックの一つである。
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