研究実績の概要 |
本研究の目的は, 理論計算機科学において知られている動的ネットワークフローを用いて, 実応用に即した避難施設配置モデルを構築することである.本年度の成果は以下の3件である. (1) 「同じ場所にいる避難者は同じ施設に避難する」という仮定を緩和した一般的なフローモデルについて,パスネットワークおよびサイクルネットワーク上の避難完了時間最小化施設配置問題に対する初の多項式時間アルゴリズムを開発した.本結果は査読付き国際会議The 21th Symposium on Algorithmic Approaches for Transportation Modelling, Optimization, and Systems (ATMOS2021) にて発表された. (2) パスネットワーク上の総避難時間最小化複数施設配置問題に対する,時間計算量がネットワークサイズに対してほぼ線形となる初のアルゴリズムを開発した結果について,国際論文誌Theoretical Computer Scienceに採録された. (3) 動的フローネットワークにおける複数施設配置問題に対する研究代表者らの近年の結果について概説記事を執筆し,Springerから出版された書籍「Sublinear Computation Paradigm - Algorithmic Revolution in the Big Data Era」の第5章に採録された.
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