本研究では,まず,物理複製困難関数 (PUF) からハードウェアIDを,確率的手法に基づいて,極めて効率的かつ高信頼に抽出する手法を複数開発した.その中でも最も新しい提案手法では,標準的なほぼ全ての状況下でハードウェアIDを既存手法に比べて高効率に抽出でき,同等の安全性を担保しつつPUFのハードウェア実装コストを最大で55%削減できることを確認した.さらに,PUFに基づく認証モジュールは各種サイドチャネル攻撃の対象となりうるが,PUFによって生成された秘密鍵・認証鍵の抽出を目的としたサイドチャネル攻撃の評価を行うとともに,対策としてマスキングや暗号鍵変換の有効性を確認した.
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