研究課題
若手研究
生理的に最も自然な3次元像を再生可能な電子ホログラフィにおいて,膨大な計算量の処理効率化は重要な実用化課題である.本研究では,線のみで構成される3次元像の再生に特化した電子ホログラフィの高速計算手法を開発し,原理的な手法に比較して最大3000倍以上の計算高速化に成功した.また,この計算手法をベースにしたペン入力インターフェイスを持つ手描きのインタラクティブ3次元像再生システムの開発にも成功した.
光学,計算機科学
本研究の成果では,文字や基本図形のアウトラインを3次元的に,かつインタラクティブに再生可能であるため,カーナビゲーションシステムや作業支援システム等における拡張現実の表示手法として将来的な実用化が期待できる.従来の研究の多くが写実的な3次元像の再生を目指していたのに対し,表示可能な3次元像を限定することで計算処理を合理化する本研究のアプローチは独自性が高く,得られた高速化効果に鑑みても,今後のホログラフィ分野におけるマイルストンとなりうる研究成果が得られた.