研究課題/領域番号 |
20K19817
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
田中 緑 千葉大学, 大学院国際学術研究院, 助教 (40780979)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 質感 / 質感知覚 / 質感計測 / 光沢感 / 透明感 / 粗さ感 |
研究実績の概要 |
2021年度は、2020年度の成果を発展させる研究計画に基づいて、①一般照明を考慮した視感評価環境の構築、②平面物体の質感定量化システムの開発、および③立体物を対象とした質感知覚の定量化の研究に取り組んだ。 ①の研究成果:照明条件がもたらす質感知覚への影響を調査するため、拡散照明、スポット照明などの照明の拡散度やジオメトリの異なる複数の条件下での質感評価環境を構築した。光沢感、透明感、粗さ感の3種の質感について評価実験を完了した。 ②の研究成果:物体表面の光沢や凹凸の異なる平面物体を対象として、物理量から光沢感を推定するプロトタイプシステムを開発した。今後は、システム改善のために、①で構築した照明条件を加味することで、光沢感推定におけるばらつきに対して、堅牢性を強化する。 ③の研究成果:これまでの評価対象は単一色からなる平面物体に限定されていた。より汎用的なプロトタイプシステムの構築を目指すため、対象とする物体の形状と色を平面から立体、モノクロからカラーへとそれぞれ拡張し、①の環境において質感評価の安定性を確認した。 ①~③の研究成果を基に、物理量から光沢感を推定するプロトタイプシステムを構築した。今後は、現在進行中の透明感、粗さ感の質感定量化およびプロトタイプシステムの開発に注力し、3種の質感を統合的に推定できるプロトタイプシステムの構築に取り組む。また、研究課題の集大成としてまとめ、外部発表にて広く成果を公表する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に示したとおり、当初の研究目的・研究実施計画に従って順調に研究を遂行できている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、研究実施計画に従って研究を進める。現段階では、研究計画の変更の必要や研究遂行上の大きな課題は生じていない。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19により、学会の現地開催がなくオンライン開催となったため、当初予定していた学会参加費、旅費の支出が少なくなり、次年度使用額が生じた。 プロトタイプシステムの高度計算に必要な高性能計算機、および高質な評価データを得るための追実験に対する実験補助として、謝金を計上する。また、現在準備中の英語論文の英文校正費、国内外の学会参加費も支出予定である。
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