本研究は、光沢感、透明感、粗さ感を対象に、物体から視覚的に知覚する質感を推定する質感定量化プロトタイプシステムの構築を目的としている。種々の材質、色、表面凹凸を有する実物体を対象として、拡散照明および指向性照明を用いた心理物理評価に基づく知覚情報処理の解析と、光学計測に基づく物理情報解析の双方を実施した。結果、光学計測によって獲得した物理特徴量から、知覚する各質感の知覚量を推定するモデルを構築できた。特に光沢感は、既存研究で取り扱われてきた材質に限ることなく、石材や皮革、樹脂など10種もの実物材質を対象とした汎用的な定量化システムが構築できる可能性が示唆された。
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