研究課題
今年度はドライバの自動運転車に対する信頼を構築するため、ドライバに自動運転車のシステム限界と運転意図を理解させる車内向けヒューマンマシンインタフェース(iHMI)と外向けヒューマンマシンインタフェース (eHMI)を提案した。レベル3の自動運転システム(ADS) は,システムの限界を超えた場合にドライバに運転引き継ぎ要請 (RtI) を出す.しかし,複雑な交通状況では,ドライバ目線でトリガーの候補が複数存在すると認識されてしまい,ADSが一つのトリガーに対してRtIを出しても,判断・操作を躊躇したり迷ったりする可能性がある.そこで,ドライバにRtIのトリガーを音声で提示し,ADSのシステム限界を明確に理解させるiHMIを提案し,被験者実験を用いてその有効性を確認し,ADSに対する過信抑制効果も確認した.また,レベル3ADSからドライバに対して運転を引き継ぐ過程では,自動運転車の挙動が不規則かつ不安定になり,周囲の自動車が事故に巻き込まれるリスクが高まる恐れがある.この問題に対して,本研究ではレベル3自動運転車にeHMIを搭載することで,ADSの作動状態や運転引継ぎ要請が発行された後のドライバの運転引継ぎ状況などを外部に提示する手法を提案する.レベル3自動運転車の周囲を走行する手動運転車のドライバに関するドライビングシミュレータ実験を行うことで,提案手法の有効性と自動運転車に対する信頼性を検証した.最後に,自動運転パーソナルモビリティ(APMV)に注目した.APMVは歩行者に遭遇する際に,APMVと歩行者のコミュニケーションが乗客の主観感覚に潜在的な影響を与える可能性があると考えられる.本研究では,APMVの乗客を中心に,乗客の個性と好みのeHMIの関係を分析し,APMV用のeHMIを設計する際に乗客の個性を考慮することで,乗客がAPMVに対する信頼性も改善できた.
2: おおむね順調に進展している
今年度にはジャーナル論文1本を採択され、国内学会での発表を3回行ったためである.
最終年度となる2024年度は,これまでの研究成果を中心に,ジャーナル論文への投稿や学会発表を積極的に行う.
ジャーナルと国際会議論文を投稿している.ジャーナルの投稿費と国際会議の参加費のため,次年度使用額が生じる.
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
International Journal of Human-Computer Interaction
巻: Latest Articles ページ: 1~15
10.1080/10447318.2024.2306426