本年度は、低沸点液体の気化膨張を利用する液相-気相転移アクチュエータを用いた力覚ディスプレイについての研究開発に取り組んだ。 前年度までの成果に立脚し、液相-気相転移アクチュエータをアレイとして構成できるようにXYZテーブルを用いた作製装置を開発し、これをCO2レーザーの走査によって独立に制御することで、空間分布の制御が可能で、かつエアコンプレッサーやチューブが不要な小型、軽量、かつ柔軟な力覚ディスプレイシステムを構築した。 加えて、短パルスレーザーを光源とするレーザー走査型プロジェクタと光吸収素材を用いた、熱弾性効果による振動覚ディスプレイについても研究開発を実施した。ナノ秒パルスレーザーを樹脂テープに照射した際に実際に振動触覚が生じることを確認し、またARマーカのトラッキングによって指先の位置に振動提示が可能な触覚ディスプレイシステムを構築した。
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