研究課題/領域番号 |
20K19860
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
原 聡 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (40780721)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 機械学習 / 深層学習 / 説明可能AI |
研究実績の概要 |
2021年度の研究は概ね当初の研究計画通りに進んだ。 「研究課題1. 良い学習方法の推定」については、2020年度に検討した「影響の大きいデータを見つける問題」および「良い学習方法を見積もり問題」の数理的な定式化を元に、「アルゴリズムの効率化」の研究に取り組んだ。具体的には、推定アルゴリズム中の一階微分、二階微分を圧縮して保持することでほぼ推定精度を落とすことなく、少ない計算時間およびメモリで計算することが可能となった。この結果、従来では小規模のデータセット・モデルでも計算に一晩から数日かかっていたところ、大規模なデータセットやモデルについても数時間程度で計算が完了できるようになった。 「研究課題2. 悪いモデルの修理」については「「良い修理法を見積もる問題」の数理的な定式化と推定アルゴリズムの考案」の研究に取り組んだ。本研究課題については、特にこれら定式化やアルゴリズム検討の過程で「不公平なモデルの修理」という実用上でも重要な問題例を見つけることができた。当初の研究計画では主にモデルの精度向上という点に着目したモデル修理の問題を考えていたが、モデルの公平性など精度以外の面についても同様にモデル修理は重要な問題である。 2020年度はコロナのために研究に遅れが出ていたが、2021年度は学生をアルバイトとして雇用し、関連研究の調査やプログラミング等で研究を補助してもらうことで、研究の遅れを概ね取り戻すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究課題1. 良い学習方法の推定」については当初予定通り、「アルゴリズムの効率化」の研究に着手し一定の結果を出すことができた。 「研究課題2. 悪いモデルの修理」についても定式化やアルゴリズム検討の過程で「不公平なモデルの修理」という重要な問題例を見つけることができた。 2020年度はコロナのために研究に遅れが出ていたが、2021年度は学生をアルバイトとして雇用し、関連研究の調査やプログラミング等で研究を補助してもらうことで、研究の遅れを概ね取り戻すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り、2022年度は「実データを用いた実験評価」に着手する。 また、2021年度の研究過程で見出した「不公平なモデルの修理」という実用的にも重要な問題例についてより深く検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
【理由】計算アルゴリズムの大幅な効率化に成功した結果、新規に大型計算機を調達せずとも2021年度の研究計画が遂行可能となった。また、コロナ禍のために当初予定していた情報収集および研究発表のための出張が全てキャンセルとなった。 【使用計画】より大規模な実験のために計算機を購入する。また、引き続き学生をアルバイトとして雇用し研究補助にあてることで研究の円滑な推進につとめる。コロナ禍が収束した際には情報収集および研究発表のための出張へと予算をあてる。
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