大阪万博に向けて、機械翻訳の精度向上が急務である。従来の機械翻訳の訓練では、出力文と正解文の単語一致率を最大化するように深層学習モデルを最適化するのが一般的であり、正解文と表層的に異なる出力文は意味的に正しくともペナルティを受けてしまう。単語単位で表層的な評価に基づくフィードバックを行う従来手法に対して、本研究では、文単位で意味的な評価に基づくフィードバックを用いて機械翻訳を訓練する。正解文の表現に対する依存を減らして柔軟な訓練を実現する本手法は、機械翻訳をはじめとする様々なテキスト生成技術の性能を改善する可能性を持つ。本研究では、機械翻訳とテキスト平易化において、その有効性を検証した。
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