研究課題/領域番号 |
20K19870
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
上里 達実 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 特別研究員 (90840611)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | リモートセンシング / 変化検出 / 深層学習 |
研究実績の概要 |
本年度は,地球観測画像分解モデル構築の土台となる技術の開発に取り組み,以下2つの項目を実現した. 1)画像分解モデル:地球観測画像は,撮影環境・時期により照度の影響が大きく変わるため2時期の画像を従来手法で比較することは困難であった.そこで,デジタル標高モデルを用いて照度の影響を定式化し,画像を照度と反射率の情報に分解する手法を提案した.提案手法では,地球観測画像とデジタル標高モデルを物理モデルによって融合し,画像から照度の影響を受けない反射率の情報を抽出することを実現した.提案手法は,シミュレーション画像と地球観測画像を用いて検証され,既存手法の精度を大きく上回った. 2)教師なし深層学習:地球観測画像は,ラベルなど正解に相当する教師データを入手しにくい点が問題であった.本研究では,教師データを必要としない深層学習手法を考案した.従来手法では,ユーザーが解析対象の画像を大量に用意し訓練データとして用いる必要があった.提案手法は,畳み込みニューラルネットワークの構造自体がもたらす正則化を用いる事で訓練データを必要とせず,1枚の画像のみに深層学習を適用することを実現した.実験では,ハイパースペクトル画像とマルチスペクトル画像の融合,パンシャープン処理など様々なタスクに適用され,教師あり深層学習手法に近い精度が得られた.本研究で得られた知見は,画像融合に限らず,より一般的な画像処理タスクに貢献することが期待できる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初設定した本年度の研究項目である地球観測画像分解モデル構築のための手法を達成したため,当初の計画通りに進展したといえる.研究成果は,IEEE Transactions on Image ProcessingおよびEuropean Conference on Computer Visionで発表された.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,当初の予定通り以下の課題に取り組む. まず本年度に開発した画像分解モデルと教師なし深層学習を用いて,地表面変化を識別する深層画像分解モデルに基づく変化抽出技術を開発する.開発される技術は,様々な要因が含まれる画像間から,災害が起きた地域など目標とする地表面変化の情報を抽出することが期待される.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた学会や出張が新型コロナの影響ですべてキャンセルとなり、計画よりも下回る支出となった。研究を計画通り遂行可能とするために必要な機器の購入などに充当する予定である。
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