研究課題/領域番号 |
20K19892
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
谷島 諒丞 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (10869598)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ロボット / 建設機械 / 締固め / 制御 |
研究実績の概要 |
土木建設業では,人手不足の解消,労働環境の改善,生産性の向上のために,建設機械のロボット化や自動化が求められている.土木工事における作業の1つに地面の締固め作業があるが,これにはランマーと呼ばれる小型の締固め機械が用いられる.本研究課題では,制御装置を後付けすることで,このランマーをロボット化することを目指している.振動するランマーを制御するために必要な制御装置と制御手法を明らかにするとともに,それをもとに開発したロボットランマーの移動性能や締固め性能を評価する. 令和三年度は,前年度から開発を開始した実験用のランマーの小型模型の製作を進め,完成させた.この小型模型は,市販されている実機のランマーを参考に,ほぼ同じ構造の約四分の一サイズで設計した.DCモータを回転させることで,実機と同様に振動する構成になっており,これ自体には,姿勢を制御する機能はない. また,この小型模型の制御手法および制御装置として,リアクションホイールを用いた手法について検討と開発を進めているが,現状では,目的とする姿勢の安定化や移動の制御を実現できていないため,今後さらなる改良と実験を行う. さらに,令和三年度は,前年度に必要性が明らかになったランマーの姿勢計測や性能評価に必要な計測装置についても検討を進めた.ランマーは高速で振動していることから,外部から高速度カメラを用いて計測する手法を用いることを検討している.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
小型模型を製作し,制御手法と制御装置について検討を進めているが,想定通りに目的とする姿勢の安定化や移動の制御を実現できなかったため,遅れが生じている.また,ランマーの姿勢計測や性能評価に必要な計測装置についても,当初の予定より検討が必要であることが分かり,これにも時間が必要になったため,遅れにつながった.
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今後の研究の推進方策 |
当初は二年計画だったが,遅れが生じたため,研究期間を延長する.延長後は,引き続き小型模型を用いて,制御手法と制御装置の検討を進める.現状では,これまでと同様,リアクションホイールを用いた手法の改良を進める予定だが,他の手法についても調査と検討を並行して行い,実現可能性を高める.また,必要に応じて,補助脚等の補助装置の導入も検討する.また,当初は実機への実装を目指す予定だったが,これについては,検討にとどめることを考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により,研究の進捗に遅れが生じたことと情報収集や発表のために計画していた学会等が中止やオンライン開催になったことが原因である.遅れている計画を進めることで,順次執行する予定である.
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