研究課題/領域番号 |
20K19897
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
木本 充彦 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 特別研究員(PD) (00866585)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 知能ロボティクス / ヒューマンロボットインタラクション / 情報提供 / 関係性把握 |
研究実績の概要 |
本年度は,ロボットの対話相手となる人々の関係性把握機構に関する研究として,身体動作の同調性に関する研究と,実験システムの開発を行った.人々は対話を行う際,無意識に身体動作を他者に同調する事が知られている.また,このような身体動作の同調は対人関係の維持や親密化にとって重要な役割を持つことが指摘されている.本年度はこの身体動作の同調に着目し,人々の関係性と身体動作の同調程度の差異に関する分析を行った.具体的にはまず,複数名が様々な状況で対話を行う様子が収められた動画像データセットを対象に,人々の頭部位置の動作量を解析し,時系列データとして取得した.次に,その動作量が時間軸に沿ってどの程度ずれた際に,他の参加者と高い類似度を示すかどうかを解析した.結果,既に親密な関係性が築かれた参加者間での対話と比較して,仕事における対話といった関係性構築の過程にある対話では,短時間での身体動作の同調がより多いことを示唆する結果が得られた.これは,ロボットが対話相手となる人々の関係性を把握する際に役立つ知見であり,ロボットによる対話相手の関係性に配慮した対話戦略の構築に活用する予定である.また本年度は,次年度以降の評価実験実施に向け,人とロボットとの対話実験を行うための実験システムの開発を進めた.具体的には,実空間及び仮想空間でロボットと人との対話実験を行うために必要なセンサ系や対話システムの開発を進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた複数人の参加者を招いての実験実施がCOVID-19の影響で困難となり実験計画の変更が必要となったが,対話相手の関係性把握に役立つ一定の知見が得られたこと,またロボット対話システムの開発が予定通り行えたため.
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降もオフラインでの実験実施が困難な状況が予測されるため,オンラインで実施可能な実験系を設計,計画する.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で参加を予定していた会議が中止,オンライン開催となり旅費が必要なくなったため.次年度使用額は,ロボットシステムの開発やそれに必要な物品購入また,評価実験実施に必要な費用に充てる.
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