研究課題/領域番号 |
20K19898
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研究機関 | 北陸先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
池 勇勲 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 准教授 (90823766)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 音響カメラ / 水中ロボット / SLAM / 極限環境 / マテリアル分布 |
研究実績の概要 |
本研究課題は,福島第一原子力発電所の原子炉のような人間が直接入れない極限水中環境において,無人水中ロボットに搭載した音響カメラを使用し,物質・材料に関する環境情報を反映したマップ生成システムの構築を目的とする. 本研究では,環境中に存在するマテリアルの特性を音響カメラの計測情報より分析し,環境のマッピング処理における環境特徴量として活用することで,環境中に存在するマテリアルの情報を含む3次元形状情報(水中マテリアル分布マップ)を復元するするアプローチで検討を進めている. 特に2020年度は,機械学習における音響カメラの撮影物体に対する材質及びマテリアルの情報を分類・認識する手法の確立のための事前準備として,学習データを容易に生成する方法の構築に注力した.具体的には,実際の撮影画像に近い仮想の音響画像の生成が可能な敵対的生成ネットワーク(GAN:generative adversarial networks)を利用した新しいシミュレータを開発し,任意の環境で様々な学習データの生成が可能な研究環境を新しく構築した.また,開発したシミュレータを利用し,アクティブソナーモデルに基づき音響画像を分析することにより,異なる材質同士で構成された物体を認識する手法を構築した. その他,2021年度に予定しているSLAM(simultaneous localization and mapping)における特徴量として適用するための機械学習によるマテリアルの分類・認識に関する資料収集及び基礎研究を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度に計画した研究目標である以下の項目1と項目2をおおむね達成できたため.さらに,査読付き学術誌論文の掲載及び国際・国内会議への論文投稿と発表を行い,成果公表もおおむね順調に進展しているため. 1.様々な環境及びマテリアルの条件を自由に模擬することができるシミュレータを構築し,深層学習に用いるための仮想の訓練データを生成する. 2.アクティブソナーモデルに基づき,画像内の輝度値を分析することにより,水中物体の分類・認識を行う手法を新たに確立する.
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は,2020年度に開発したGANによるシミュレータで生成した任意環境及びマテリアルの条件における多様な学習データを基に,深層学習によるマテリアルの多クラス分類・認識を行う手法を新たに確立する予定である.また,分類・認識された環境のマテリアル情報を特徴量として記述するティスクリプタに変換し,水中SLAMに適用する手法の構築に取り組む計画である.
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は,COVID-19の影響により,実験現場での検証実験が全て中止となり,その旅費と実験装置における繰越金が次年度使用額として生じた.2021年度には,当初予定していた実験装置などを整備し,研究進捗に応じて検証実験を十分に行う計画である. また,日本ロボット学会及び計測自動制御学会などの国内学会や,IEEE Robotics and Automation Society主催の国際学会などで研究成果を発表するために用いる.
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