研究課題/領域番号 |
20K19899
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
佐藤 啓宏 京都先端科学大学, 工学部, 講師 (00607591)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 能動視覚 |
研究実績の概要 |
本研究は、ロボットの能動視覚の自律性を高めるために、人間の”視る”という行動の観測に基づいて、そのモデル構築のために有用な観察データを収集することを、第一の目的においていた。しかしながら、初年度である本年は、新型コロナ禍の影響で予定していた形式での、人を対象とした実験ができなくなってしまうという問題が発生した。 年度初めにおいては、コロナ禍の影響緩和を期待して、実験環境の整備を進めていったが、夏過ぎには、それも断念せざるを得ない状況になった。大勢の人を長期間に渡り観測しようという設定は本年度の実施は困難であると判断し、別の形式での人間行動観察を検討することとした。また、最終年度に実施予定であったロボットによる視覚制御のハードウェア製作を前倒しして実施することとして、現在もその作業の進行中である。具体的には、人間の眼における中心窩、傍中心窩、周中心窩、に当たる見えやすさ見えにくさをロボットのカメラに適用しようとしている。中心窩以外で捉えられた像も、動物としての人間の行動には大きな影響を与えていると考えられるためである。 人間の観察は本研究の要であるので、3年で申請した研究期間を4年に延長することを眼中に入れて、実験の準備は進める。また実験の内容を柔軟に調整できるように生命医科学系の倫理講習を受講した。現状では、新型コロナ禍の状況の進展が読めず、人を対象とする実験の実施にむずかしさを感じている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ禍の影響で、人を対象とする実験の実施が困難なため、計画の大幅な変更が余儀なくされたため、研究の予定は大幅に遅れている。また、予定に無い他の業務の増大や非常事態宣言などによる行動の制限が、研究時間を圧迫しているのも事実である。大変に苦しい。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナ禍の影響が続くのであれば、大勢の人間を長期間観察する、という実験予定を、小数の人間を短期間観察する、という問題設定に変える必要が有ると考えている。ただし、当初の大きな観察データの中から漠然とした視覚行動の傾向の抽出をしようとする問題設定から、小さなタスクドメインに限っての観察に切り替えることで意図的な解釈が入ってしまい、研究目的の本質がぶれてしまうことを恐れている。 数年後には、事態が改善すると期待して準備をすすめ、3年の期間を4年に延長したいと考えている。
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