当初の研究計画では、初年度・次年度において、人の無意識下での行動を対象として複数視点からの動画像や温度・湿度・CO2濃度・風速・音を計測し、多くのデータを収集する予定であった。しかしながら、COVID-19の影響により人と接触する活動が困難な期間が続き、またそのあおりを受けて世界的な半導体入手難の状況が発生し、計画通りに必要なデバイスを集めることも困難となったため、仕様を変更したうえで長期間の人の活動を観察する計測装置を完成させた。仕様変更後の装置では、22の視点からFHD画質での録画と遠隔監視ができ、温度、湿度、照度、気圧、騒音、3軸加速度、eTVOCのデータを周囲18か所から記録・監視し、データベースに保存できるようにした。 また、最終年度である今年度では、意識・無意識の差異を表現しその差異を確認できるように人を模した頭部ロボットを製作して、データに基づく制御を与える予定であった。COVID-19の影響を最小限にするため、研究計画を前倒して頭部ロボットは製作してあった。これは学会発表にはまだ至っていないが、当方の研究室がIROS2022Exhibitionの見学コースの一つとなったため、製作したロボットとその視線表現についてのデモストレーションを約20名ほどの研究者に見てもらうことができ、無意識とアフォーダンスとの関係性についての議論ができた。 2023年4月から、新型コロナによる活動制限が解除されたので、当初予定していた人を対象とした実験データの取得を始める予定である。
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