研究課題
本研究は,個人の感性情報や評価に関する法則性を見つけることを学術的問いとして,ファジィ推論を用いた感性検索エージェントモデルにおいて,ユーザの視線情報を用いたデザイン評価を実現し,ユーザの嗜好ルール抽出を可能にしようとするものである.研究最終年度にあたる2022年度は,1) 提案システムにおける評価対象に女性用衣服コーディネートを導入し,ダイレクトマニピュレーションを用いたファジィ推論パラメータの同定を試み,2) 音楽や化粧を対象とした同システムの有効性を検証した.1)については,2年目にパラメータ同定を試みる際に用いたダイレクトマニピュレーションに対して,より効率的な同定方法を発案した.具体的な検証は,今後実施する予定である.2)については,女性用衣服コーディネート以外にも音楽や化粧検索を対象としたシステムを構築し,検証を行った.具体的には,音楽を対象とした場合でも,ユーザの嗜好を表現できるルールを獲得できることが確認された.化粧を対象とした場合は,嗜好ルール生成について,好みの化粧パターンから嗜好ルールを直接的に取得するアプローチを試みている.研究期間を通して,本研究の基本となるファジィ推論を用いた感性検索エージェントモデルに関する研究を進め,キャラクターコーディネートや女性用衣服コーディネートを対象とした検証を実施し,提案システムの派生版となる音楽検索システムや化粧システムも併せて提案し,検証を実施した.これらの成果は,学術論文採録1件,さらに複数の国際会議や国内学会発表を実施できたことに現れている.今後は,本研究を基にして,現在不完全であるダイレクトマニピュレーションを導入したファジィ推論パラメータ同定を中心に研究を進め,より効率的にユーザの嗜好ルールを獲得できるシステム構築を目指す予定である.
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
International Journal of Affective Engineering
巻: Vol.21, No.3 ページ: pp.181-190
10.5057/ijae.TJSKE-D-21-00075