研究課題/領域番号 |
20K19914
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
水野 聖士 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (80646795)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 機械学習 / 層別化 / 妊娠高血圧症候群 / バイオインフォマティクス / 時系列クラスタリング / 精密医療 |
研究実績の概要 |
本年度は、東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査参加者のうち妊娠高血圧症候群(HDP)患者約二千名を対象に、前年度に同定した有害アウトカムであるLight-for-date(LFD)および降圧剤への治療抵抗性の有無を正解ラベルとした機械学習モデルで取得した有害アウトカムに関連する特徴を使用し、以下の研究を実施した。 1. コミュニティ検出, 2. 検出したコミュニティの評価, 3. 検出したコミュニティで特徴的なクラスタに関連する特徴の同定 1. は、有害アウトカムに関連する特徴を入力とし、K近傍法による近傍の探索とjaccard coefficientでの類似度に基づく対象者のネットワークの構築とlouvain法とleiden法によるコミュニティ検出を実施した。 2. は、検出したコミュニティのうち、有害アウトカムに関連するものを対象に、 クラスタごとに、早産リスク、低出生体重リスク、有害アウトカムのリスク、妊娠期間をターゲットとした生存時間解析のlogrank p-valueおよびhazard ratio、割合の多い病型を評価し、HDPの臨床的多様性に対応するクラスタを取得した。3. は、2.で取得したクラスタを目的変数とした、1.で使用したすべての有害アウトカムに関連する特徴を対象に単変量解析を実施し、HDPの臨床的多様性に対応するクラスタに関連する特徴を取得した。 来年度は、今年度に実施できなかった、HDPの臨床的多様性に対応するクラスタに関連する特徴の評価と、遺伝情報と曝露情報による層別化の組み合わせで定義されるサブクラスを目的変数とした2因子間の相互作用解析および、遺伝情報と曝露情報の相互情報量を使用し構築したネットワーク上での、相互作用のある因子の背景構造の同定を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多様性の評価が可能な適切な数のクラスタが得られなかったため、当初予定したlouvain法によるコミュニティ検出方法の他に、leiden法によるコミュニティ検出方法を検討し、leiden法でのパラメータに対応した膨大な、アウトカム、データセット、コミュニティ検出手法およびそのパラメータの組み合わせでのコミュニティについて、クラスタの評価を行い、多大なエフォートを要したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、今年度に実施できなかったHDPの臨床的多様性に対応するクラスタに関連する特徴の評価と、遺伝情報と曝露情報による層別化の組み合わせで定義されるサブクラスを目的変数とした2因子間の相互作用解析および、当初より予定していた、遺伝情報と曝露情報の相互情報量を使用し構築したネットワーク上での、相互作用のある因子の背景構造の同定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において多くの学会がオンライン開催となり、旅費の支弁ができなかったため。来年度は、論文発表のための英文校正やオープンアクセス費用の支弁や、ハイブリッド開催など現地とオンラインの両方で開催される学会について積極的に現地参加を行い旅費の使用を行う予定である。
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