研究課題/領域番号 |
20K19915
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
土屋 貴穂 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70853167)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | バイオインフォマティクス / システムバイオロジー / 1細胞空間トランスクプリプトーム / 細胞間相互作用 / 数理モデリング / 解析ツール開発 |
研究実績の概要 |
細胞間シグナリングなど周辺環境が細胞の内部状態に与えている影響が、多細胞システムの理解・予測・操作にとって重要である。近年、多細胞の位置情報も取得して解析する、1細胞空間トランスクリプトームの計測手法が登場した。これにより、細胞の周辺環境が細胞のトランスクリプトームへ及ぼす影響をモデル化できると期待される。一方で、既存の1細胞空間トランスクリプトームデータの解析手法は、細胞間相互作用の解釈性や定量性に課題があった 。そこで、本研究課題では、着目したい細胞間相互作用を陽にモデル化に組み込みつつ、細胞間相互作用を推定することを目的としたCCPLSという新規手法を開発した。本手法では、細胞ごとの特徴量と回帰した重み係数の関係からトランスクリプトームが周辺環境から受ける影響を評価できる。現在、シミュレーションデータ、および、既に論文で公開されている実データを増やして本提案手法の評価を続けている。ここまでの研究成果を社会発信するべく論文投稿を準備中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究構想であったネットワーク推定から方向性を転換して、回帰モデルを採用した。方向性の転換があったものの現在の方針でも、当初の目的である細胞間相互作用の抽出をする見込みがたったため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、モデルの拡張とモデルを実データに応用する二つの方向性で研究を展開する。一つ目のモデルの拡張では、現在、陽に扱っていない細胞間相互作用をモデルに組み込む。二つ目の実データへの応用では、現在開発中の提案手法を公共データベースに応用して、生物学的な知見を新規に得ることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では旅費を計上していたが、コロナ禍でこれら旅費を使用する必要がなくなったのが主な理由である。これらにあてる予定であった金額が主に次年度使用額となっている。これら次年度使用額では、計算機利用料金など計算機シミュレーションに必要な用途に使用する予定である、
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