研究課題/領域番号 |
20K19923
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
黄 銘 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (50728300)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 深層学習 / 転移学習 / 容積光電脈波 / 循環器 / 複雑活動認識 |
研究実績の概要 |
令和4年度には、日常生活においても綿密に循環器のモニタリングのための生理信号の処理方や心臓不整脈のリアルタイムでモニタリングするアルゴリズム、およびカフレス血圧推定アルゴリズムの研究開発を実施しました。さらに、後天性因子の情報抽出手法についても研究を推進しました。具体的な実施内容は、下記のようにまとめます。 1、容積光電脈波(PPG)を用いた心臓不整脈の自動検出アルゴリズムの研究開発においては、PPG信号と同じ源に由来する心電図信号を基に、AFの自動検出深層学習モデルをトレーニングし、転移学習の技術で、PPGを基にした不整脈検出モデルを構築しました。具体的な転移学習方や深層学習モデルを検討し、最適なモデル構築のパイプライン(生データの前処理やマシンラーニングモデルの組み合わせ)を決めました。 2、カフレス血圧推定アルゴリズムの研究にあたって、世界最大級のカフレス血圧推定方法の研究開発に特化するMicrosoft Aurora projectのデータセットのアクセス権を取得し、千人以上のデータでデータ駆動やモデル駆動を融合するモデルのトレーニングパイプラインを決めまして、モデルを開発しました。 3、ウェアラフルテバイスを用い複雑活動認識モデルの構築にあたって、食事や運動を含めた日常生活にある複雑活動データベースを構築し、信号の特徴にふさわしい深層学習モデル(具体な非公開)を開発しました。 以上の研究の推進によって、循環器の生理状態を評価する手法や後天性因子の定量・定性手法を整備しつつあります。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
後天性因子の定量・定性手法の研究開発は予想通り進めていますし、いずれの研究内容もすでにトップレベル雑誌に採用されましたかあるいは雑誌論文の作成の段階に入りました。 循環器のモニタリングにおいては、有望な手法を研究開発しまして、インパクトファクターが高い雑誌に採用されました。 カフレスでの血圧推定内容においては、データを大幅に拡充しまして、血圧の推定パイプラインの研究開発を大きく推進しました。
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今後の研究の推進方策 |
循環器のモニタリングに関する研究は国内外の学会・シンポジウムの発表を通じて発信し、血圧の推定パイプラインについて、トップ雑誌に投稿する予定です。 食や運動を含む日常生活における複雑活動の自動認識に関する研究も、年内にトップ雑誌に投稿する予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に、研究成果を発表するために参加する国内外の学会の参加費として使用する。
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