これまで情報推薦分野では,ユーザの興味,アイテムの新規性・意外性・人気,推薦理由の説明等が研究されてきた.本研究が対象とするユーザスキルとアイテム難易度は,既存の研究対象とは独立した新たな概念である.この概念に基づくスキル上達のための推薦システムは未来のための最適化を行うものであり,現在の状態を最適化する従来研究とは目的および方向性が異なる. スキル上達は,教育分野での精密学習やクラウドワーカの能力の底上げなど,広範な実ドメインに当てはまる普遍的かつ現実的な問題である.人々のスキルが多様化した現代において,スキル上達のための技術の確立は,学術のみならず実用的な意義も大きいと考えられる.
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