本研究では,体育授業における教師の指導を支援するためのシステム開発を目的とし,当該年度では,昨年度に引き続き,(A)投の運動と(B)ボール運動の支援に着目した研究を遂行した. (A)投の運動の支援 2020年度の「カメラを用いた投げの運動の解析支援システムのプロトタイプ」をもとに,2021年度はその研究成果を取り纏めた.また,ジャベリックボールが他のボールよりも優れていることの有用性や,記録と投げ動作との関連性に関して明らかになっていない課題に対して,小学校における投の運動の追加実験を行い,投能力向上に寄与する動作要因を追求した.さらに,これらを現場にフィードバックするため,測定結果カルテを出力するシステムに改良した.この成果は学会誌に投稿中である. (B)ボール運動の支援 2020年度の「カメラを用いた単一物体の移動軌跡生成システムのプロトタイプ」をもとに,2021年度はその研究成果を取り纏めた.なお,体育授業への適用が困難であったことから,高等学校部活動のボール運動に着目した.また,その技術の応用先として,ドローンや固定カメラを用いた自転車の移動軌跡を推定するシステムを構築した.この成果は学会誌に投稿中である.
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