研究課題/領域番号 |
20K19941
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
田中 昂文 玉川大学, 工学部, 助教 (30851274)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ソフトウェア工学教育 / モデリング / プログラミング / デジタル教科書 / 学習分析 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ソフトウェア工学教育における知識学習と演習の学習ログを統一的に蓄積、分析するための学習基盤システムを開発することで、学習者の知識習得過程と実践的な技能習得過程が互いに及ぼす影響を明らかにするとともに、モデリングとプログラミングの各工程およびこれらをまたいだ複合的な学習における効果的な学習方法をエビデンスに基づいて明らかにすることである。今年度の主要な研究成果は、下記の2点である。 (1)学習基盤システムを構成するシステム群の設計・開発:本研究の目的を遂行するためには、プログラミング演習、モデリング演習、知識学習について、細粒度かつ統一的な形式の学習ログデータを収集する必要がある。プログラミングに関しては、統合開発環境Intelli J IDEAにおけるプログラム編集ログや操作ログ等を収集するプラグインを開発した。モデリングについては、先行研究で開発したモデル図エディタKIfUを利用することとし、ログデータの形式について他システムと統一する改修を行った。電子教科書については、共同研究者の毛利氏が開発したシステムをベースとし、ログ形式の統一や使用技術のバージョンアップ等の改修を行っている。 (2)KIfUの拡張およびプログラミング学習支援ツールに関する研究:Java言語を対象とし、ソースコードからプログラムのふるまいを表現するアニメーションを自動生成する学習支援システムを開発した。また、プログラム実行時の変数の変化を表すトレース表を作成する演習を通して要指導学生を抽出するシステムの開発を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、1年目で各種学習支援システム群の予備実験を実施したのち、学習基盤システムのプロトタイプを稼働する予定だったが、コロナウィルス流行の影響によって学生を対象とした実験が困難になったこと、電子教科書システム導入に予想以上の時間がかかったことなどが原因で学習基盤システムの開発が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
開発が遅れている電子教科書システムの代替として外部の電子教科書システムを活用し、学習基盤システムのプロトタイプを早期に開始する。年度中期頃をめどにシステムを用いた実証実験を実施し、結果を国際会議等に投稿する予定である。また、それらと並行してソフトウェア工学教育に特化した独自の電子教科書システムを開発する。本年度内には学習基盤システムを完成し、大学における本格運用を開始する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス流行の影響により、学会参加費および旅費の支出が減少したため、当該年度使用額が予定よりも減少した。次年度に学会発表等を多く実施することを予定し、減少した旅費を物品費に振替えることで、次年度の学会参加費および旅費を確保することとした。
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