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2020 年度 実施状況報告書

熱帯域の植生面温度に関する新知見獲得と植生呼吸・光合成量の推定精度向上への展開

研究課題

研究課題/領域番号 20K19952
研究機関千葉大学

研究代表者

山本 雄平  千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 特任助教 (30845102)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード地表面温度 / ひまわり8号
研究実績の概要

(1) 地上観測ネットワークで強化されたひまわり8号植生面温度プロダクトの確立
まず初めに、ひまわり8号データを用いた地表面温度推定アルゴリズムの再構築を行った。これまで提案された推定アルゴリズムで主流のものはWan (2014)のSplit-window algorithm(以降、Wanアルゴリズム)とAtitar and Sobrino (2009)のSplit-window algorithm(以降、Atiアルゴリズム)、そして新世代衛星センサ仕様に提案されたYamamoto et al. (2018)のNonlinear three-band algorithm(以降、Yamアルゴリズム)である。本研究では、放射伝達モデルMODTRAN6を用いてひまわり8号の熱赤外センサの観測環境を約300万通りシミュレートし、その環境下で3つのアルゴリズムの推定精度比較を行った。入力情報に誤差がない場合の推定精度と入力情報に誤差を生じさせた場合の推定精度の堅牢性を調べた結果、Yamアルゴリズム、Wanアルゴリズム、Atiアルゴリズムの順で安定した推定精度をもつことが分かった。この比較結果からYamアルゴリズムを実際の地表面温度推定に採用することとした。その後、オーストラリアのフラックス観測ネットワーク(OzFlux)から土地被覆状況の異なる5サイトの観測データを選出して地表面温度を推定し、Yamアルゴリズムの推定精度検証を行った。この結果は日本地球惑星科学連合2021年大会で発表予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ひまわり8号データから地表面温度を推定する前段階として、雲域の検出・除去処理が必要であるが、雲域検出に必要なデータの作成には2015年から2020年までの可視(赤)バンドと近赤外バンド、熱赤外バンドの収集が必要である。この収集には非常に長い時間を要するため、検証作業の進行がやや遅れてしまっている。

今後の研究の推進方策

OzFluxデータを用いた検証が完成した後、日本(JapanFlux)と韓国(KoFlux)の観測データを用いた検証も行う予定である。研究(1)を今年度の前期までに完成させた後に、「(2)熱帯域における植生面温度の時空間形態の解明」を計画通り進める予定である。現時点で計画(2)と計画(3)を変更する予定はない。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスの感染拡大の影響で当初予定していたNASA Ames研究所への渡航とそこでの研究活動ができなくなり、予算を大幅に用いる活動のほとんどを次年度に振り替えることになった。

研究成果

(1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Uncertainty quantification in operational algorithms to retrieve land surface temperature from Himawari-8/AHI data2021

    • 著者名/発表者名
      Yuhei Yamamoto, Kazuhito Ichii
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union Meeting 2021
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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