本研究では、エアロゾルとして放出される有害元素のエアロゾル中の化学種解明や、その環境中での移行挙動を解明するための研究を行った。前者として、極めてエネルギー分解能の高い超伝導転移端検出器を用いたXAFS法を用いて、福島原発事故から放出されたシリカ粒子(CsMP)中の放射性セシウムの化学状態分析を行い、ガラスに溶解した状態で存在することを明らかにした。また後者として、中国貴州省のカルスト台地を研究対象として選び、硫酸イオンの硫黄・酸素同位体比やSr同位体比と種々の元素濃度を組合わせた研究を行い、その水試料中で人為起源成分が50%以上存在することを明らかにした。
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