研究課題
研究最終年度である2022年度は、昨年度に引き続き氷河暗色化を引き起こす氷河藻類の増殖を再現するモデル(Glacier algae modelとFilamentous cyanobacteria model)の開発を行った。また、クリオコナイトホール(生物由来の暗色物質で形成される円柱形の穴)の動態を地表大気情報に基づいて再現する数値モデル(Cryoconite hole model)の開発を進めた。前者の氷河藻類モデルの開発検証論文は国際誌にて出版され、後者のクリオコナイトホールモデルの開発検証論文は国際誌にて現在査読中である。研究費は、これらの研究を遂行する上で必要となったデスクトップパソコンの購入費用に主に充てられた。また、これらの成果報告に必要な英文校正費用にも充てられた。本研究計画の2020年度開始時は,下記2つの課題を掲げた。この課題に対する研究期間全体の特筆すべき成果として、北極圏のみならず全球を対象とした全球赤雪モデルBio-MATSIROの開発に成功し、2021年度に国際誌に論文として出版した。1. 氷河観測に基づく赤雪藻類の繁殖要因解明と赤雪推定モデル開発2. 陸域モデルによる北極圏の赤雪による雪氷融解への寄与推定上記のとおり2022年度は研究対象を赤雪を発生させる藻類以外の雪氷生物にも広げ、Bio-MATSIROを拡張するための研究を実施した。2022年度は上述した研究成果がでており、当初の計画以上に研究が進展した。本研究費終了後も、同研究費をきっかけとして更なる成果および本研究分野の発展が期待される。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件、 招待講演 1件) 備考 (4件)
The Cryosphere Discussions
巻: - ページ: 1-35
10.5194/egusphere-2023-54
Journal of Glaciology
巻: - ページ: 1~13
10.1017/jog.2022.76
https://researchmap.jp/yonuma/
https://doi.org/10.5281/zenodo.6258671
https://doi.org/10.5281/zenodo.6955513
https://doi.org/10.5281/zenodo.7539526