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2022 年度 実績報告書

放射線が誘発する細胞内温度、pH変化とそのダイナミクスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K19969
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

神長 輝一  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 量子生命科学研究所, 研究員 (90825176)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード細胞内温度 / 蛍光ナノダイヤモンド / 放射線影響
研究実績の概要

最終年度は細胞周期依存的な細胞質の温度変化解明につながる知見の収集に努めた。放射線照射によるDNA損傷は細胞周期チェックポイントによる細胞周期停止および遅延生じさせるため、その前提となる細胞周期依存的な細胞内温度変化の解明は、放射線による細胞内温度変化を明らかにするための重要な基礎的知見となる。細胞周期依存的な細胞質の温度変化を明らかにするため、細胞周期可視化システム(Fluorescent Ubiquitination-based Cell Cycle Indicator : Fucci)を導入したHeLa細胞に蛍光ナノダイヤモンドをエンドサイトーシスにて取り込ませ、各細胞周期の温度計測を実施した結果、G2/M期の細胞質温度が他細胞周期よりも高いことを示唆する結果を得た。
研究期間全体を通しては、細胞質(主にミトコンドリア)に対する放射線の影響を放射光X線マイクロビームを用いて解明を試み、正常細胞では細胞質のみへのX線照射はミトコンドリア量の減少を誘発し、一方、核のみへの照射ではmitotic skipによるミトコンドリア量の増加を誘発するという照射部位特異的に相反する影響を誘発することを解明した。また、X線照射による細胞質温度の定量を行い、照射後1時間において細胞質の温度が上昇すること、細胞質の温度上昇ががん細胞、正常細胞を問わず誘発されることを示唆する結果を得ている。さらに、将来的な動物個体レベルでの放射線による細胞温度変化の解明に向け、マウスを用いたin vivoイメージング系において世界最高範囲のナノダイヤモンドを用いた温度計測手法の開発にも成功した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 産業財産権 (1件)

  • [産業財産権] 蛍光検出装置及び蛍光検出方法2022

    • 発明者名
      五十嵐龍治、神長輝一
    • 権利者名
      五十嵐龍治、神長輝一
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2021-104440

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公開日: 2023-12-25  

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