温度とpHは、細胞内のタンパク質活性や化学反応速度を変化させる要因であり、微小な変化もシグナルネットワークを介した細胞の恒常性維持に影響を与える。一方、電離放射線はDNAおよびオルガネラに様々な損傷を誘発するが、その影響の一つとして、細胞内の温度およびpH変化を誘発する可能性があると考えられる。本研究では量子センサーの一種である蛍光ナノダイヤモンドを用いてX線照射後の細胞内温度計測により、がん、および正常細胞においてX戦照射1時間後に細胞内温度計測が上昇すること、正常細胞においてはこの温度上昇が一週間後においても持続している可能性を示唆する結果を得た。
|