魚類肝細胞は、in vitroにおける環境評価試験や環境毒性試験での重要な細胞源である。魚類肝細胞を用いたセルベースアッセイでは、細胞をシャーレ底面に接着、伸展させる単層培養法が利用されてきた。一方、細胞を三次元的に集合・凝集させるスフェロイド培養は、単層培養よりも生体に近い機能を模倣できることが数多く報告されている。 申請者は、スフェロイド形成時に細胞外マトリクス(ECM)を添加することで、魚類肝細胞スフェロイドのさらなる機能発現の向上を発想した。本研究では、スフェロイド化とECM成分添加の相乗効果により、細胞の立体構造や機能を長期維持可能な、魚類肝細胞スフェロイド培養方法の確立を目指す。
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