研究課題
日本、インド、インドネシア、タイ、ベトナムの水圏環境を対象に、高感度分析が可能な液体クロマトグラフ-四重極型質量分析装置(LC-MS/MS)と高分解能分析が可能な液体クロマトグラフ-四重極飛行時間型質量分析装置(LC-QToF-MS/MS)を用いたターゲット一斉分析とサスペクトスクリーニング分析を試み、表層水と魚類に残留する人工化学物質の網羅分析に取り組んだ。<2020年度>表層水試料に対して、生活関連化学物質92種の定性・定量を試みたところ、河川流量の少ない都市河川と市内運河の化学物質汚染が顕在化した。またベトナムのプラスチックリサイクル施設からの排水が流入する河川では、Bisphenol Aによる魚類への繁殖影響が懸念された。<2021年度>表層水試料に対して、医薬品類、農薬類、工業由来物質など484物質のサスペクトスクリーニング分析(定性)を試みたところ、Carbendazim、1H-Benzotriazole、4(or5)-Methyl-1H-benzotriazole、Sucralose、Diuron、Tebuconazole、Losartan、Sulfamethoxazole、Sulfapyridine、Theophylline、Clarithromycin、Diclofenac、Diphenhydramine、Lidocaine、Sulpirideの広域汚染が明らかになった。<2022年度>魚類の血しょうに残留する生活関連化学物質の定性・定量を試みたところ、Haloperidol、Chlorpheniramine、Sertralineの生物濃縮係数(魚類の血しょう/環境水濃度比)は、一部の魚類で1000以上を示し、これには血しょうタンパク/水分配係数が関与していることを明らかにした。
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Science of The Total Environment
巻: 866 ページ: 161258~161258
10.1016/j.scitotenv.2022.161258
http://kanka.cmes.ehime-u.ac.jp