研究課題/領域番号 |
20K19989
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
山崎 晴彦 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10780900)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 非熱プラズマ / 環境保全 / 二酸化炭素 / エネルギー変換 |
研究実績の概要 |
温室効果の原因物質は主に二酸化炭素であり、化石燃料火力発電所に対する自己整合性のある排出二酸化炭素処理は喫緊の課題である。CO2を分解する技術としては、プラズマ技術の他に金属触媒や光触媒などの触媒技術が挙げられる。ただし現状の触媒技術では、高温高圧の極限状態であることが必要であり、大量処理には困難が伴う。本研究では、非熱プラズマ脱着技術により濃縮された二酸化炭素を一酸化炭素に高効率に還元することを目的とする。当該年度では、二酸化炭素の濃縮プラズマ処理を行った。非熱プラズマ処理効率を上げるために、二酸化炭素を一度吸着剤に吸着させ、プラズマを発生させることにより二酸化炭素を高濃度脱着させ、見掛けの一酸化炭素への転化率を向上させ、高効率な二酸化炭素の還元を実現する。その結果、濃縮に関しては、100%に近いCO2を吸着できることを確認し、一酸化炭素への変換効率22%、分解エネルギー効率14%を達成した。また、COは少なからず酸素ラジカル(O)、酸素(O2)、オゾン(O3)によって酸化することが知られている。これまでの研究において、解離エネルギーが小さいアルゴン+CO2プラズマと解離エネルギーが大きいヘリウム+CO2を用いてCO2分解技術を評価したところ、解離エネルギーが大きいヘリウム+CO2を用いた場合、COが原子状Cまで分解されていることを確認した。またプラズマ種が吸着剤へ与える影響をXRDを用いて検査を行い、吸着剤への劣化等は確認できなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目は,(1)システム設計試作,(2)プラズマ部設計試作と最適化,(3)実験実施,(4)結果の解析とまとめの4つであるが,(1)~(4)は今年度はひととおりの試験,解析を実施することができた。COVID-19の影響により、予定していた学会発表が行えなかったものの、当初の計画通り,不足分を来年度も十分に行っていく。また成果の公表にもさらに力を入れる。実験を継続し,装置の改良を実施し,来年度にさらに高い性能が実証でき,実験を完遂できるような研究計画を作成中していく。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き,前期(1)~(4)の実験ならびに結果の分析を継続して推進する。特に、希ガスプラズマがCO2の還元へ及ぼす影響を明らかにするために、CO2希釈ガス濃度の影響を明らかにする。 その他、大学のラボ実験や解析的研究を行う上での問題点は特に発生していない。
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