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2021 年度 実施状況報告書

プラズマ複合技術を用いた革新的CO2還元技術

研究課題

研究課題/領域番号 20K19989
研究機関大阪府立大学

研究代表者

山崎 晴彦  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10780900)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード非熱プラズマ / 環境保全 / 二酸化炭素 / エネルギー変換
研究実績の概要

温室効果の主な原因物質である二酸化炭素は化石燃料火力発電所で大量に生成されるため、発電所に対して自己整合性のある排出二酸化炭素処理技術の確立は重要である。
本研究では、非熱プラズマ脱着技術により濃縮された二酸化炭素を一酸化炭素に高効率で還元することを目的とする。令和3年度では、昨年度の結果を踏まえてさらに詳細な実験条件で二酸化炭素の濃縮プラズマ処理を行った。具体的には、窒素ベースのプラズマに対して、希ガスであるアルゴンとヘリウムの混合割合を変化させて、一酸化炭素への転化率およびエネルギー効率を比較した。その結果、窒素プラズマで21%と最大となり,その次にアルゴンプラズマ(10%窒素)の19%となった。また、窒素に対してアルゴンおよびヘリウムの混合割合が50%とした場合では、一酸化炭素への転化率がそれぞれ13%と16%となり、転化率が減少する結果となった。この原因としては、ペニング効果による放電形態の違いがあると考えられる。本実験では、プラズマリアクタに対する最大印可電圧が4 kVと低いため、窒素プラズマ生成時のフィラメント放電がCO2還元に対して効果的であり、アルゴンおよびヘリウムを混合した際のグロー放電は安定的であるが電子密度がフィラメント放電に比べ減少するためCO2還元が効率的に行えなかったと考えられる。
本研究では、エネルギー効率は最大で12%であり、他の文献値とあまり変わらない結果となった。ただし、本研究では、吸着剤に原子上炭素が付着していると考えられ、CO2脱着後に吸着剤を燃焼させ炭素量を計測したところ、0.5 mass%あることがわかった。そのため、炭素までの還元を抑制することができれば、これまでにない高いエネルギー効率を有することがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究項目は,実験実施および結果の解析とまとめであり,今年度は予定通りの試験,解析を実施することができた。COVID-19の影響により、予定していた学会発表が行えなかったものの、論文を1編投稿することができた。

今後の研究の推進方策

今後も引き続き,実験ならびに結果の分析を継続して推進する。特に、更なる効率向上のため、触媒との併用を行う予定である。その他、大学のラボ実験や解析的研究を行う上での問題点は特に発生していない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Effect of Argon and Helium Concentration on Adsorbed CO2 Dissociation Using Nonthermal Plasma Flows2021

    • 著者名/発表者名
      H. Wakimoto, H. Yamasaki, T. Kuroki, and M. Okubo
    • 学会等名
      The 8th East Asia Joint Symposium on Plasma and Electrostatics Technologies for Environmental Applications
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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