研究課題/領域番号 |
20K19989
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
山崎 晴彦 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 助教 (10780900)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 非熱プラズマ / 環境保全 / 二酸化炭素 / エネルギー変換 |
研究実績の概要 |
令和4年度では、昨年度の結果を踏まえてさらなる効率向上を目的として二酸化炭素の濃縮触媒複合プラズマ処理を行った。具体的には、ガンマアルミナ、銅添加アルミナ、銅、ゼオライトの4種類を用いて、プラズマリアクタ下流にそれぞれの触媒を設置することで、プラズマ触媒複合効果を期待した。その結果、脱着時のCO2濃度は、ガンマアルミナ、銅添加アルミナ、銅、ゼオライトそれぞれで、20、19、19、25%となり、ゼオライトはCO2の吸着剤としての役割があるためCO2濃度が増加する結果となった。またゼオライトを用いた際のCO転化率が16%、エネルギー効率が10%であったのに対して、ガンマアルミナ、銅添加アルミナ、銅それぞれCO転化率とエネルギー効率は、16、10%、13、9%,17、11%となり、銅添加アルミナ触媒を用いた結果で効率が最大となった。プラズマ生成時に発生する熱は80度程度であったことから、銅添加アルミナの場合は低い温度で触媒活性が行われたと考えられる。またすべての条件下で、還元によって得られたCOの一部は、さらに原子Cに還元された。検出された原子状Cの割合は吸着剤100 g当たりガンマアルミナ、銅添加アルミナ、銅それぞれで、0.7、0.8、0.7%であった。また触媒100g当たりそれぞれ、0.2、0、0.1%であった。したがって、COの原子Cへの還元を考慮した可能な効率は、11%から117%へと大幅に増加する。特に、銅添加アルミナを使用した場合、これまでの研究よりも高い変換効率とエネルギー効率を達成することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究項目は,実験実施および結果の解析とまとめであり,今年度は予定通りの試験,解析を実施することができた。COVID-19の影響により、予定していた学会発表が行えなかったものの、論文を1編投稿することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き,実験ならびに結果の分析を継続して推進する。特に、更なる効率向上のため、触媒プラズマ複合効果を期待し、触媒の設置位置および温度帯を変更して実験を行う。その他、大学のラボ実験や解析的研究を行う上での問題点は特に発生していない。
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