最終年度では、前年度までの研究を継続し,さらなる効率向上を目的として異なる温度条件下における二酸化炭素の濃縮触媒複合プラズマ処理を行った。具体的には、固体二酸化炭素を用いることで、極低温下での非熱プラズマ還元を行った。低温下において、反応速度は全体的に減少するが、COの再酸化よりもCO2還元反応の反応速度が増加し、還元効率の向上が期待できる。そこで沿面バリア放電リアクター内に固体CO2を設置し、N2ガス下でプラズマを生成する実験を行った。その結果、低い比エネルギー時では、効率に変化があまりなかったが、高い比エネルギー時において、還元効率とエネルギー効率が向上することが確認できた。このことから、CO2濃縮還元時に温度を減少させ、非熱プラズマ還元を行うことで、さらなるエネルギー効率の向上が期待できることがわかった。 期間全体を通して、濃縮技術、触媒複合技術をCO2プラズマ還元技術に複合することで、還元効率、エネルギー効率共に向上することが確認でき、特に銅添加アルミナ触媒とプラズマを複合した場合には、エネルギー効率が7%以上向上する結果が得られた。また濃縮効果、温度の依存性についての効果の実証を行った。これらの研究では、対象とするCO2は燃焼排ガス中、大気中の二種類を想定し、GTCC発電所のCO2ゼロエミッションシステム、DACCO2燃料化システムについて検討した。そして、実験室での要素実験によりそれぞれのシステムの成立可能性を検討することができた。また論文投稿,学会参加発表を行った。
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