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2021 年度 実施状況報告書

炭化物と生物膜を利用した養豚排水からの栄養塩回収と肥料的価値

研究課題

研究課題/領域番号 20K19994
研究機関東京農工大学

研究代表者

利谷 翔平  東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80725606)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード豚ふん尿 / 稲わら / 乾式メタン発酵 / 炭化物 / アンモニア
研究実績の概要

2020年度は活性汚泥法への炭化物投入を検討したが、硝化・脱窒やばっ気におけるアンモニア揮散による窒素の除去により炭化物へのアンモニア回収量が低くなることが考えられた。そのため、2021年度は微生物による窒素除去が起こらないメタン発酵による養豚排水処理方法への炭化物の適用と栄養塩回収を検討している。
稲わらと豚ふん尿の乾式メタン発酵残渣から炭化物を、300, 500および700℃で作製した。作製した炭化物にはいずれもアンモニウムを吸着する作用があり、300℃で調製した炭が最もアンモニア吸着量が多かった。また、アンモニウムの吸着に寄与すると考えられるカルボキシル基は、炭化温度が高くなるほど減少したことを確認した。そのため、炭化温度上昇によるアンモニア吸着量の減少は、炭化物表面のカルボキシル基の減少によると考えられた。
作製した炭化物を用いて稲わらと豚ふん尿の乾式メタン発酵を実施したところ、メタンの発生量は炭化物無添加>300℃炭化物添加≒500℃炭化物添加>700℃炭化物添加、となり、炭化物を添加することでメタン発生量が低下した。炭化物の添加量も含めて今後検討する必要がある。また、リアクタ内のアンモニウム濃度は炭化物を添加した系で減少した。この減少の程度は、300℃炭化物添加>500℃炭化物添加>700℃炭化物添加の順に低くなっていた。そのため、アンモニウムのリアクタ内の炭化物に吸着あるいは揮散によるロスを含めたマスバランスを評価する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2年目はリアクタ内炭化物の肥料成分や重金属を評価する予定であったが、リアクタを変更したことに伴い、実施できなかった。

今後の研究の推進方策

炭化物添加によりメタン発酵効率が低下した要因を明らかにするために、メタン発酵の基質である有機物吸着を評価する予定である。その結果も踏まえて添加量を決定する。また、窒素収支を評価し、炭化物へのアンモニア吸着や揮発による損失を明らかにする。
発酵後に得られた炭化物を分離し、その肥料成分や重金属の存在を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

実験に使用する装置がメタン発酵装置に変更になったことで、2021年度計上していた活性汚泥リアクターの分析装置の消耗品類を購入しなかったため。次年度は窒素収支を評価するため、当初予定になかったアンモニア計を購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 炭化物を用いた稲わらと豚糞尿乾式メタン発酵におけるアンモニア阻害の緩和2022

    • 著者名/発表者名
      石田 虎太朗・安田 昌平・黒岩 恵・寺田 昭彦・利谷 翔平
    • 学会等名
      化学工学会第87年会

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公開日: 2022-12-28  

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