今日、効果的な生物多様性保全の実行は、社会共通の喫緊の課題である。騒音汚染は近年、生物多様性保全上の重大脅威であると認識されている。本研究では、鳥類群集に対する自動車騒音の影響を定量化し、騒音緩和策(低騒音舗装)の実施が鳥類群集への騒音影響をどの程度低減するかを初めて検証した。その結果、自動車騒音は鳥類群集に悪影響し、低騒音舗装の実施はその影響をわずかに緩和することが分かった。一方、今回示された騒音緩和策による鳥類群集音の騒音影響低減効果はそこまで大きくないことから、今後はより効果的な生物多様性保全上の騒音緩和策を模索する必要があることが分かった。
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