研究課題/領域番号 |
20K20005
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
堤田 成政 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20650352)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | LCCS3 / オープンデータ / Mapillary / 土地被覆 / ディープラーニング / Planet |
研究実績の概要 |
2020年度に計画していた研究の進捗は下記のとおりである。 [I. 対象地域と対象テーマの選定] 2020年度はコロナ禍により、現地踏査を伴う入念な対象地域の検討が叶わなかったが、計画時に重点地域として設定していた室蘭市がオープンデータとして公開している2019年に撮影した航空写真、およびPlanet衛星画像の入手を進めた。これらのデータと、すでに撮影済みであった地上写真を用いて以降の内容を進めた。 [II. 分類クラスのデザイン策定] FAOのフレームワークであるLCCS3をもとに分類クラスデザインの策定を試みている。しかしながら、参照データ作成のためのディープラーニングモデルに組み込むには、教師付き分類に必要な地上写真データの質・量ともに不足しているため、LCCS3に準拠したデザインはいまだ実現が難しいと考えている。IIIの進捗や、それに伴う課題に応じて、技術的に実現可能なクラスデザインの設計をこれからも引き続き検討する。教師付き分類に必要な参照データ作成のための現地写真の収集をさらに進める必要がある。 [III. 参照データの作成] 現地写真より土地被覆を推定する画像認識モデルを開発している。現時点では分類クラスを限定し、比較的実装が容易な形のプロトタイプを開発している段階である。Mapillary APIを通じて地上写真を入手するシステムなどは開発済みであり、参照データの作成に向けた技術的な事前準備を予定どおり進められている。今後はモデルやアルゴリズムをアップデートしていくことで、2020年度で構築したプロトタイプを容易に高度化することができると考えている。
加えて、土地被覆分類に関連する地域特性の把握や空間誤差、分類デザインなどに関する研究をまとめ、論文化した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により現地踏査が十分に実施することができなかった。計画では、現地踏査により地上写真を撮影し十分な量のデータを収集し、ディープラーニングモデルの教師データとして使用する予定であった。 その他の項目に関わる技術的な開発についてはおおむね順調に進展している。ボランタリーな位置情報付き地上写真であるMapillaryの写真をもちいて土地被覆を推定する技術開発を進めており、2021年度以降、改良を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は状況が許せば現地踏査を進め、教師データとなる地上写真を収集したい。また、それらのラベリング作業を円滑に実施できるよう、準備をすすめる。LCCS3に準拠した分類クラスデザインをより詳細に検討し、ユーザーの利用目的に応じた主題図が作成できるような理論およびシステムの構築を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により現地調査を制限せざるを得ない状況であった。そのため、データの分類クラスデザインなど、基礎的な研究をすすめることとし、主な現地調査に係る活動を2021年度以降とするように変更した。事前に取得したデータなどをもちいて分析等をすすめているため、全体としての進捗には大きな影響はない。
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