研究課題/領域番号 |
20K20008
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研究機関 | 白梅学園短期大学 |
研究代表者 |
宮崎 佑介 白梅学園短期大学, 保育科, 講師 (10721631)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 遊漁者 / 生物多様性情報 / Citizen Science / 魚類 / 絶滅危惧種 |
研究実績の概要 |
既存の遊漁関連の雑誌・書籍・新聞等の媒体を参照し、過去の雑誌媒体に掲載されている魚類の分析にあたっての調査対象を選定するために、基礎的な情報の収集と整理を行った。しかし、新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言の発令等による出張や外出の制限や自粛により、調査のお願いにあがるところまでは実施できず、候補の抽出までに留まった。一方、過去の釣り雑誌の情報から資源量を検討した事例については、東京海洋大学の工藤貴史准教授から未公開ながら過去に試行したという情報提供をいただき、共同研究への発展可能性について協議を行った。 他方、魚拓や写真・画像の資料収集も実施し、神奈川県立生命の星・地球博物館の「魚類写真資料データベース」への登録による情報統合を目指した。特に東京湾で個体群絶滅が示唆されるアオギスについては、過去の分布情報の収集と整理も文献や標本調査によって行いつつ、遊漁者より安定した資源量があった時代のカラー写真を提供いただいた事例の報告準備を進めた。さらに、過去の魚拓の遺伝子抽出とその解析に向けた試行を京都大学総合博物館の佐藤崇博士と共同で進めた。 遊漁者によって意図的、あるいは非意図的に取得された属性情報(採集年月日・場所)が付随する画像等の二次資料を、「魚類写真資料データベース」に登録したり、科学論文の証拠資料として用いたりすることによって、生物多様性科学や保全科学の領域に資することをCitizen Scienceの文脈も考慮して示す概念モデルを提示する論文も公表準備を進めた。 なお、遊漁及び魚類に親しむ活動がもたらす普及教育への効果についても、手法確立の一環及び副次的であるものの重要な観点であると判断し、検討や分析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症への対策により、本務では担当していた施設実習Ⅰが学内実施とになったことに代表される影響を受けて予定していたエフォート率を確保できなかったことが大きな一因として挙げられる。また、出張や外出を制限されたり自粛したりした影響も大きく受けたため。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の収束をみないと難しい側面もあるが、情勢が落ち着いたタイミングを見計らい、アルバイトの雇用や研究協力者との協働等による効率化を図る。 また、単純作業の外注や、本学でも議論の俎上に載る予定のバイアウト制度を積極的に活用することで、新型コロナウイルス感染症による惨禍のなかで少しでもエフォート率を確保していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
現在までの進捗状況の記載内容と重複するが、新型コロナウイルス感染症への対策により、本務に時間を想定以上に割かれエフォート率が確保できなかった結果、及び出張や外出を制限されたり自粛したりした影響による。
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