研究課題/領域番号 |
20K20014
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
横井 崚佑 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究員 (80849894)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 金属資源 / 鉱石品位 / 物質フロー分析 / 産業連関分析 / フットプリント / 温室効果ガス / ライフサイクルアセスメント |
研究実績の概要 |
サプライチェーンの国際化に伴い産業活動が資源生産国に誘発する影響への注目が高まっている。資源採掘に伴う影響を軽減するために効果的な対策を議論するためには、資源の選択やサプライチェーンと影響との関わりを明らかにした上で、その中で対策を講じる上で重要となるポイント(ホットスポット)を特定することが必要である。本研究では、鉱石品位に着目した資源消費の影響評価と国際産業連関分析によるマテリアルフットプリントの推計、構造経路分解法の援用により、日本の生産活動が世界各国に誘発する資源採掘に伴う影響の分析とサプライチェーンにおけるホットスポットの特定を目指す。 二年目は、資源採掘に伴う温室効果ガス(GHG)排出量に着目して研究を行った。将来の資源需要予測および物質フロー分析に基づいて、将来の世界における一次および二次資源生産量の推計を行い、将来の鉱石品位や生産効率、電源構成の変化を考慮したGHG排出強度を適用することで、将来の金属生産に伴うGHG排出量を推計し、さらにGHG排出量抑制に向けて効果的な対策の検討を行った。GHG排出量の推計結果と気候変動目標(2℃目標)の排出経路とを比較した結果、金属生産セクターにおいて気候変動目標の達成を目指すためには持続可能な社会経済シナリオを辿ることに加えて、GHG排出量抑制に向けた対策が必須であることが明らかとなった。GHG排出量抑制に向けては一人当たりの金属使用水準の抑制とGHG排出強度の低減が特に効果的であることが示唆された。本成果は、持続的な資源利用に向けて、今後より重要性が増していくことが予想される環境制約の側面を分析したものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、持続的な資源利用において重要な要素の1つである環境制約の側面から、金属消費の影響を評価するとともに、その抑制に向けた効果的な対策を議論することができた。今後の研究計画に向けても準備を進めており、おおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、金属資源消費による影響の評価として、温室効果ガスに加えて資源枯渇ポテンシャルの評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19による渡航制限によって、海外への渡航分として考えていた経費の使用がなくなり、次年度使用額が生じている。次年度使用額は翌年度分と合わせて、金属資源の埋蔵量や鉱石品位等に関するデータベースの使用ライセンス料に使用することを計画している。
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