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2021 年度 実施状況報告書

森林管理の責務をめぐる社会構造:多面的機能に対する社会意識からの接近

研究課題

研究課題/領域番号 20K20018
研究機関鳥取大学

研究代表者

芳賀 大地  鳥取大学, 農学部, 助教 (10776438)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード森林 / 林業 / 住民意識 / 薪 / 薪ストーブ / 木材
研究実績の概要

新型コロナウィルス感染症の拡大により、県境を越えた出張が大幅に制限されていたため、前年度に予定していた岡山県での現地基礎調査が実施できなかった。そのため、当初は当該年度に改めて現地調査を実施する予定であった。しかし、引き続き感染症が蔓延しており、他業務との兼ね合いから当該年度においても岡山県における現地調査は実施不可能であった。
以上の状況を踏まえ、研究計画を途中で大幅に変更した。まず、対象地については上記の状況をふまえて変更を行った。現地調査が可能なことや、これまでの研究や業務を通じて知見を持っていることから、鳥取県を対象として調査を実施することとした。また、鳥取県を対象とするにあたり、当初の研究計画において位置づけていた林業地帯の山村部と非林業地帯の都市部という比較は当初計画よりも弱まると考えられたので、新たな研究対象地域の位置づけを設定することとした。研究協力者を得たこともあり、隣接し似たような林業の歴史を持つ2地域である、鳥取県八頭郡智頭町と同郡若桜町を対象とした。共に、戦前からの林業地であるが、現在においては町行政における林業への取り組みには違いがみられる。さらに、調査の簡便性なども加味して、森林の利用意識について調査することとした。具体的には、地域として建材としての木材よりもより日常的に利用を意識すると考えられる薪に注目し、薪ストーブの利用動向と、森林や木材に関する住民の意識の関連についてアンケート調査を行った。現在までの暫定的な結果としては、町行政としてのこれまでの林業推進施策が、森林や木材に関する全体的な住民意識に影響していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症の拡大により、当該年度までの2年間では全く当初の予定通りに調査研究を行うことができなかった。そのため、研究の進捗は大幅に遅れている。
2年目の前半までは感染症の感染拡大状況の推移を観察しながら当初計画に近い研究の遂行を目指した。しかし、県境を越えた出張が困難な状況が続き、十分な基礎調査を行うことができなかった。また、計画していたアンケート票調査も、計画していた手法では当該地域の郵便局にアンケート票を持ち込む必要があったため実施できなかった。結果として成果をほとんど上げることができなかった。そのため、2年目の後半からは当初計画を断念し、対象地の変更やそれに伴う調査の位置づけの変更を行い、課題である森林管理の住民意識に接近することとした。結果として、2つの町においてアンケート票調査を実施し、基本集計までが完了している。
以上のように大幅な研究計画の変更を迫られたために、研究の進捗は大きく遅滞している。

今後の研究の推進方策

当面は新しい計画に基づく研究を推進しつつ、新型コロナウィルス感染症の拡大状況を勘案しながら、可能であれば、当初計画についても実施していきたい。
具体的には、新計画では2021年度に実施したアンケート調査結果の分析をさらに進める。加えて、林業事業体などの林業関係者が森林所有者や一般の住民に対してどのようなコミュニケーションをとっているのか、地域性に着目しながら聞き取り調査によって明らかにしていく。
また、このまま新型コロナウィルス対策に伴う移動制限の緩和が続くと見込まれるのならば、当初計画にあった、同じ流域おける都市地域と林業地域の違いに注目した森林管理への一般住民の意識調査も行う。自治体や主要林業関係者への聞き取り調査を行ったうえで、質問票を作成し、郵送法による住民へのアンケート調査を実施する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症の蔓延のため、初年度から十分な調査研究が実施できていない。そのため、当該年度は年度途中において、調査計画を大幅に変更した。そのため、実際の調査実施開始時期が遅れ、また、計画の再構成に伴う準備期間も必要であったため、執行金額が予定よりも少なくなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 地域における薪ストーブの導入意識2022

    • 著者名/発表者名
      森本峻輔・芳賀大地
    • 学会等名
      第133回日本森林学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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