研究課題/領域番号 |
20K20025
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
永島 史弥 近畿大学, 経済学部, 准教授 (50845956)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 石炭火力発電 / 大気汚染 / 健康影響評価 / アジア / データ包絡分析法 |
研究実績の概要 |
2022年度の研究実績の概要は以下のとおりである。 データ包絡分析法(DEA)・領域化学輸送モデル・統合曝露反応モデル等を用いた健康影響評価モデルを統合し、非効率な発電を行う石炭火力発電所に対する排出抑制技術の導入および抑制技術水準の高い新規発電所への代替等で改善される大気汚染物質排出量と健康被害を推計するフレームワークを開発した。石炭火力発電所の効率性を推計するためのデータの制約から、フレームワークの提案を論文の主題とし、中国の石炭火力発電所を対象とした分析(316基、総発電容量の40%)は当該フレームワークのケーススタディとした。分析の結果、発電所の環境効率改善は、大気汚染の曝露による早期死亡の40%が回避可能であることが明らかになった。また、研究対象の発電所から排出された大気汚染物質由来の近隣諸国での早期死亡も、発電所の効率性改善により回避可能であることも明らかになった(例えば、日本の早期死亡の約39%が回避可能)。 これまでの研究結果は「Quantifying the health benefits of improving environmental efficiency: A case study from coal power plants in China」というタイトルで研究論文として取りまとめており、査読付き英文誌Energy Economics誌において現在再投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度から取り組んでいる効率性向上と健康被害改善の研究について、本年度は国際査読雑誌に出版することができなかった。査読中の雑誌からは一定の評価を得ており、来年度中には出版につなげたい。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの分析を踏まえ研究のとりまとめを行う。具体的には現在取り組んでいる論文の国際査読雑誌での出版を目指したい。また、データを最新のものにアップデートしつつ、現在のエネルギー政策の評価および将来にコミットされた早期死亡者数の精緻な推計を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で研究期間の1、2年目に学会(特に国際学会)などの出張が困難となり、想定を上回る予算が次年度の使用額として繰り越された。今年度は更なる研究成果を出すためのデータ整備および論文執筆に力を入れるつもりである。また査読付き英文誌への掲載による研究成果の発表、そのための英文校閲費用などにも予算を執行する予定である。
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