研究課題/領域番号 |
20K20033
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研究機関 | 群馬県衛生環境研究所 |
研究代表者 |
齊藤 由倫 群馬県衛生環境研究所, 研究企画係, 独立研究員 (30450373)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 生活系ごみ / 自治体 / 普及啓発施策 / 重回帰分析 / 廃棄物減量等推進員 |
研究実績の概要 |
令和4年度は2R促進施策の効果推定を目的に、404自治体における31類型別の実施状況を説明変数に、生活系ごみ排出原単位(g/人/日)を目的変数にとった重回帰分析を行った。この分析では多重共線性に注意しながら(VIF<4)、有料化の実施有無やごみ収集頻度(回/週)、及び世帯所得や人員等の人口・社会統計データを統制変数に加えた。 重回帰モデルのF検定では帰無仮説(全ての偏回帰係数は0)が棄却されたが(p<.001)、残差は正規分布に従わなかったため(Kolmogorov-Smirnov、df=404、p=.041)、考慮していない因子(変数)に由来する系統誤差の存在が考えられた。残差が最大レベルとなった2自治体に着目したところ、それらの生活系ごみ排出原単位は937.3 g/人/日と923.6 g/人/日で、続く3番目の自治体の833.7 g/人/日に比べて極端に多かった。この2自治体は人口5万人以上の全国540自治体の中で比べても、最多1位と3位であった(2位の自治体はアンケート回答無し)。この2自治体を除くとF検定の有意性(p<.001)と共に、残差の正規性も確認されたことから(Kolmogorov-Smirnov、df=402、p=.167)、残りの402自治体についてはごみの排出要因を説明できるモデルが得られたものと考えた。一方、除外した2自治体の状況からは、顕著にごみが多い自治体では特有の因子を考慮する必要が示唆された。 得られた重回帰モデルからは、廃棄物減量等推進員の施策が有効である可能性が示され、傾向スコア・マッチング法からもそれは支持された。今後はこの施策を中心に詳細内容を探求する計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍によって自治体へのインタビュー調査が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
廃棄物減量等推進員の施策を中心に、生活系ごみの減量効果が期待できる施策の詳細をインタビュー調査などから明らかにしていく計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
自治体へのインタビュー調査ができなかったため。
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