研究課題/領域番号 |
20K20040
|
研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
中澤 芽衣 高崎経済大学, 地域政策学部, 特命助教 (40845731)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | ウガンダ / ジェンダー不平等 / 差別と偏見 / 地域社会 / 国際移動 |
研究実績の概要 |
本研究では、ウガンダ南部の農村内で経済的困窮・社会的孤立に苦しむ女性に着目し、彼女たちが地域社会で受けた不当な扱いや貧困に陥る社会構造を検討し、彼女たちを支援する方策と包摂する社会のあり方を探求することを目的としている。 2022年度も、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行による影響で、当初予定していたウガンダ共和国への現地調査を断念せざるを得なかった。しかしながら、調査協力者の協力を得て、SNSやメールを利用して、地域社会で不当な扱いを受けた女性たちがどのように新たな場所を見つけ、移動しているのかについて調査をおこなった。男性優位社会のウガンダでは、女性が現金稼得活動に従事することは好まれない。そのため、男性との離別・死別を経験した女性のなかには、ウガンダ国内では女性が現金を稼げる仕事を見つけることが難しいという理由で、国境を越え、別の国に移り住んだ女性がいることが明らかになった。地域社会から支援を受けず、不当な扱いを受けている女性たちは、よりよい生活を求め、自発的に農村を離れ、移動先で安定した生活を営んでいることがわかった。今後、アフリカ女性の国際移動についても研究を実施していく予定である。 アウトリーチ活動として、高崎経済大学とラジオ高崎が協力して提供している令和4年度ラジオゼミナールにおいて、アフリカ農村の人々の暮らしやアフリカ女性の多様な生き方について解説し、社会貢献活動にも努めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は、5月から産前産後の休暇、育児休業を取得したため、当初予定していたウガンダ共和国への現地調査を遂行することができなかったことが理由である。しかしながら、SNSを利用した調査や文献調査から、男性との離別を経験した女性の国際移動に関する研究に着手することができている。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年度前半は、引き続き、SNSやメール、電話を利用して、男性との離別を経験した女性の移動に関するデータを収集する。文献調査とこれまでの聞き取り調査で収集したデータをもとに、11月に開催される国際開発学会全国大会で口頭発表を実施する予定である。 また新型コロナウイルスにより移動制限の緩和をうけて、今年度は現地調査を実施する予定である。渡航のタイミングと期間については、日本やウガンダ共和国だけでなく、経由国の感染状況を踏まえて、調査協力者と綿密に打ち合わせて、決定する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年5月から産前産後の休暇と育児休業を取得したため、ウガンダの現地調査を断念せざるをえなかった。本研究計画の多くの部分を占める旅費を使用することができず、その結果、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、2023年度の書籍購入・行政資料の入手等にあてるとともに、現地調査の旅費として使用する予定である。また英語論文刊行の際の英文校閲にもあてる予定である。
|