研究課題/領域番号 |
20K20051
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研究機関 | 筑紫女学園大学 |
研究代表者 |
須藤 遙子 筑紫女学園大学, 現代社会学部, 教授 (60439552)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 軍事広報 / 在日米軍 / 自衛隊 / 広報イベント / メディア |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルスにより、フィールドワークを主軸とする本研究は大きな影響を受けている。 本研究の目的は、申請者が開拓した自衛隊広報研究をベースとし、「友好祭」「フレンドシップデー」などの親善イベントの内容と経緯を調査することで、1950年代以降継続されてきた在日米軍による地域住民へのソフトパワー戦略の実態を明らかにすることである。しかし、まずフィールドワークの対象となる米軍イベント自体が全て中止となり、昨年は一つも開催されなかった。2020年度は、国内ではオクマビーチフェス、キャンプ富士フレンドシップフェス、金武ブルービーチバッシュ、横田基地日米友好祭、日米親善横須賀ベース歴史ツアー、キャンプコートニークリスマスフェス、 国外では韓国オサン基地エアショーを調査する予定だった。唯一沖縄で軍関係者を対象とした夏のイベントがあったが、入場パスを手に入れることはほぼ不可能、かつ所属大学の出張規制もあって調査はできていない。 研究方法としては、歴史社会学を用いた文献調査とフィールドワークによる現地調査の二つを用いる。1950年代からの歴史的経緯を明らかにするにはアメリカ側の資料を含む文献調査が必須であることから、2020年度は文献調査のみとなった。ただし、同じくコロナによる遠隔授業等への対応と混乱で文献調査も思うように捗ってはいない。 コロナ禍が2年目に入り、現在も広報イベントの開催の目処は全く立っていない。まさか2年もこのようになるとは想定していなかったので、正直大変不安に思っている。2、3年の研究期間の延長をぜひとも希望する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスにより、フィールドワークを主軸とする本研究は実質の中断状態にある。上記のように、まずフィールドワークの対象となる米軍イベント自体が全て中止となっている。在外米軍の広報イベント比較のために、海外フィールドワークも一部入れているが、こちらに関しても全く目処のたたない状況である。 2020年度は、もう一つの柱である文献調査もコロナによる遠隔授業等への対応と混乱で、思うように捗らなかった。 上記したが、コロナの影響が長期化しているため、2、3年の研究期間の延長をぜひとも希望する。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、ともかく文献調査を精力的に進めていく。①沖縄研究、②米軍研究、③軍事広報研究の3つを柱に近年の文献を集め、調査を行なっていきたい。以前の科研費調査で収集しておいた沖縄関連の資料も活用しつつ、研究会や学会誌等でも少しずつ発表して、骨格を固めていくつもりである。 フィールドワークに関しては、正直今年度も絶望的ではないか。とはいえ開催情報をチェックしつつ、参加できるイベントがあれば見落とさず調査に向かう予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により、研究の主軸となる在日米軍イベントのフィールドワーク調査が全く実施できず、研究費の中心となっている旅費交通費が未使用となったため、大幅に予算が余ることになった。コロナ禍が終息し、イベントが再開されればフィールドワークも可能となって旅費交通費も消化されていくことになる。しかし、残念ながら現時点では終息の目処が立たない状況である。 その代わりに文献調査に力を入れ、その成果発表ができるよう努力していきたい。
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