研究課題/領域番号 |
20K20077
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山川 路代 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50734555)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 旅行者 / インド / ワクチン / リスク認知 |
研究実績の概要 |
2022年度は各国でのコロナ対策が進んだことから、国際間の移動制限が緩和され始め、海外旅行に復活の兆しが見られた。そこで、2022年12月からインド・デリーにあるサンタナゲストハウスを利用する日本人旅行者を対象としたデータ収集を再開した。今回は、名古屋工業大学の田中優子准教授(専門:認知科学・心理学)、ゲストハウスのスタッフ2名と、デリーでフィールドワークを実践している浅井彩(東京都立大学博士後期)の協力を得て、質問紙調査によるデータ収集を行った。田中と山川の訪印時(2023年2月)に、サンタナのスタッフと浅井にヒアリングを行い、現地の情報を収集するとともに、調査の問題点を抽出し、調査方法の改善に取り組んだ。その結果として、現時点で186名から回答が得られた。データ収集の実施にあたり、コロナ禍に集中的に行った文献レビュー結果をもとに、リスク認知の評価方法など質問項目を修正した。また、これまでに収集したデータを統合したデータセットを作成し、ワクチンヘジタンシーとワクチン接種との関連について検討した。さらに、サンタナゲストハウスの利用者に大学生が多いことを踏まえ、旅行目的によるワクチンの接種状況の違いを検証するため、山川の所属機関に在籍し、インド工科大学(アッサム)スプリングスクールに参加する日本人の学部学生を対象にデータ収集を行い、全員から回答を得た(参加者10名)。事前、渡航1週間後・2週間後、帰国後の4回に渡ってデータ収集を行い、収集したデータを統合したデータセットを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍での各国の出入国制限により、海外旅行が困難な状況が2年間続いた。この間、インドでのフィールド調査が実施できず、中断していたため、統計解析に十分なデータ数が得られず、仮説の検証が進められなかった。その間、文献レビューを行い、田中准教授と相談しながら、質問項目の見直しを行った。
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今後の研究の推進方策 |
春夏といった、日本の長期休暇期間だけに偏らないデータが得られるように、インドの日本人旅行者を対象とし、データ収集を年間を通じて行う。研究対象者として、インド工科大学スプリングスクール参加者に加えて、同大学ジョイントディグリープログラムに参加する日本人大学院生(修士課程)も加え、データ収集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍にあり、インドでのフィールド調査が2年間実施できず、渡航費や調査経費の支出がなかったこと、統計解析に十分なデータ数が揃っておらず、分析結果を学会や学術誌に発表できていないことが、次年度使用額が生じた主な理由として挙げられる。現在は海外旅行も復活してきていることから、年間を通じたデータ収集を計画しており、協力者の渡航費や謝金などを含む調査経費としての使用を見込んでいる。
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