本研究では、日本人旅行者における予防接種行動と関連する個人特性を疫学的手法を用いて検討した。インドのゲストハウスを利用した日本人旅行者では、全体の61%が渡航前に予防接種を受けておらず、ワクチンの安全性への懸念が高いほど予防接種を受けない傾向が見られた。一方で、大学のインド派遣プログラムでは、事前に予防接種を含む健康・安全に関する情報提供と必要に応じた個別相談が行われており、参加した学生全員が予防接種を受けていた。接種行動は、渡航目的や経済的負担を考慮するだけでなく、信頼のおけるリソースからの感染リスクやその対策に関する情報提供によって改善される可能性が示唆された。
|