研究課題/領域番号 |
20K20081
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研究機関 | 福知山公立大学 |
研究代表者 |
佐藤 充 福知山公立大学, 地域経営学部, 助教 (50782281)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 観光地経営 / スマート・ツーリズム・デスティネーション / スマート・サステイナビリティ / ビッグデータ / データマネジメント |
研究実績の概要 |
近年、各地の観光地では、ICTやセンサー技術の発展と急速な普及を背景にして、ビッグデータの活用やデジタル化が推し進められている。本研究では、先進的な観光地の事例分析を行い、観光地のスマート化とそれを支えるデータマネジメントを実態的に解明する。 令和2年度は、観光地のスマート化を巡る理論的動向をサーベイし、本研究の分析枠組みを検討した。主に、「スマート・ツーリズム・デスティネーション(STD)」に関する文献をサーベイし、STDの概念やその拡張可能性について整理を行った。また、観光地のスマート化とサステイナビリティとの間の関連性が強いことに着目し、観光地域づくりにおける「スマート・サステイナビリティ」概念の内容を考察した。これらの分析から、観光地のスマート化を捉える視点を構築し、データ分析の基盤となるデータプラットフォームの構造を分析した。この研究成果の一部については、学会で研究報告を行った。 その一方で、新型コロナ感染症の流行拡大に伴い、当初予定していた福島県会津若松市への訪問調査は延期となった。同調査は、スマートシティ化を推進する自治体における観光地の実態とそのデータマネジメントを明らかにすることを目的としている。令和2年度中は、国内の先進事例である会津若松市の取り組みに関する情報・文献資料の収集を進めるにとどまった。 また、令和3年度に予定するスペイン・バルセロナ市への訪問調査の準備についても、海外渡航が難しいことから、次年度以降に先送りすることにした。令和2年度中は、バルセロナ市に限らず、スペイン政府やEUにおける観光地のスマート化やスマートシティの取り組みに関する情報・文献資料を収集した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は、観光地のスマート化を巡る理論的動向をサーベイし、本研究の分析枠組みを検討した。その成果は、論点や理論的課題の提示として取りまとめ、次年度での学会発表・論文執筆を行う予定である。 しかしながら、国内外の事例への訪問調査は、新型コロナ感染症の流行拡大により、延期を余儀なくされた。そのため、当初の研究計画に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度では、新型コロナ感染症の状況を注視した上で、可能であれば、会津若松市への訪問調査を実施したいと考えている。また、令和2年度の研究成果を発信するために、学会発表・論文執筆を行うことを予定している。 しかし、令和3年度以降に予定していた海外調査(スペイン・ポルトガル)については、新型コロナ感染症の一定程度の収束がみられるまで、調査準備は進めるが、その実施を延期することにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は、当初予定していた国内事例への訪問調査が延期となったため、残額が発生した。 令和3年度では、新型コロナ感染症の状況を見ながら、国内事例への訪問調査を行う旅費として執行予定である。
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