研究課題/領域番号 |
20K20094
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研究機関 | 同志社女子大学 |
研究代表者 |
張 イヨウ 同志社女子大学, 現代社会学部, 助教 (50827730)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フェミニズム / ファンタジー / 欲望の表象 / 理論構築 |
研究実績の概要 |
2021年度は論文執筆、学会発表、及び資料収集を中心に行った。 論文執筆については、2020年度末に掲載が決まった投稿論文「腐女子の『ファンタジー・トラブル』―身体・欲望・妄想をめぐるBLファンタジーの存在論」(『ジェンダー研究』No.24: p.113-130)の加筆修正を行った。学会発表については、2021年8月末に延期されたEAJS International Conference 2020が予定通り開催され、"Beyond the Screens of 'LGBT-Friendly' Japanese TV Dramas: Is there Hope or Utopia?"というテーマで発表した。また、2022年6月中旬に開催予定の日本マンガ学会第21回大会での発表も決まり、「BLマンガの男性キャラクターの身体描写にみる『男』同士をめぐるファンタジー」というタイトルで発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度にはマンガの資料調査と平行してインタビューの取りかかりも予定していたが、マンガの量が膨大で、資料の収集と整理に予定以上の時間を要した。現在は2022年6月中に予定している発表ののために、2021年度に継続的に行っていたBLマンガの資料収集を行っている。具体的には、『このBLがやばい!』(宙出版、2008~2021年度版)、及びBLマンガ・小説の総合レビューサイト「ちるちる」(https://www.chil-chil.net)にランクインされた作品を取り上げ、攻めと受けの身体的特徴をカテゴライズして分析していく。本報告書の作成時点(2022年4月25日)、7割程度の資料整理が完成している。この部分の資料整理が終われば、もう一つ、9月中旬開催予定のカルチュラル・スタディーズ学会の大会「カルチュラル・タイフーン2022」への応募もでき、マンガ学会とは違うフェミニズムの視点と女性の欲望の考察を中心に発表する。また、マンガの資料調査を通じて、今後インタビューする予定のマンガ家候補もできるため、2022年度のインタビュー実行が期待できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当分の予定は5月下旬まで必要な資料をすべて入手し、コーディングを済ませ、6月と9月の学会発表原稿を作成することである。また、マンガの資料調査と平行して、インタビューの予定も進める。具体的には、資料整理のアルバイト人数を増やし、5月下旬までに資料整理を終わらせ、秋までにインタビュー予定のマンガ家とのやり取りを進めていく。秋以降はマンガ家と読者のインタビューを進めるように、インタビューの実行に関する本学の倫理審査も申請する。インタビューに関しては、状況によって対面かオンラインの形で実施する予定である。上記の研究成果を学会で発表し、コメントを受けた上で、投稿論文を作成し、日本国内の学術誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は新型コロナウイルス感染症の影響のため、海外渡航はほぼ不可能だったため、日本国内外の学会もオンラインで開催され、研究費の大きな割合を占める旅費の使用はなかった。また、資料収集が予定より遅れており、実際の資料購入は2022年度に実行する予定である。
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